Wordちゃんと使えてますか?

Wordの気持ちを理解しないと良いドキュメントは書けないのです。

Microsoft Office 製品のワープロソフト WORD
僕が高校生の頃には、一太郎からシェアをほとんど奪って、高校のOAの授業ではWORDを使ってドキュメントを作成してました。

今、会社員として働いている20代~30代の方々は同じような感じではないでしょうか。
学校で習ったりしているので、仕事でも使ってみればまぁ使えなくはない、と言う感じでなあなあでWORDと付き合ってませんか。
そんな小手先だけで作成されたWORD文書は、修正が大変ではないでしょうか。

改行したいだけなのにリストになったりとか、改行しただけのつもりなのにカーソルが変なところに飛んで行ったりとか、印刷すると行頭位置が揃ってなかったりとか、フォントがところどころ違っていたりとか……

良い文章を書くには、とにかく沢山文章を読んで書くのが良いと言いますが、よいドキュメントを作るのには闇雲に沢山作っても無駄、とは言わないですが、まずテクニックを先に身につけたほうが良いです。
これは即ち、WORDドキュメント作りは、文章書きや絵描きと同じく一種の「特殊技能」と言っても良いと。そういう事だと思うのです。
つまり、訓練しだいで誰でも上手なWORDドキュメントは作れるようになるし、逆に正しい作法を知らないと何年やっても上手くも早くもならないです。
使い方を正しく理解せずに、「これだからマイクロソフトはくそ」と言った事を言う残念な人にならないよう、正しい知識を身につけWORDを使えるようになりましょう。
そして、WORDを使えると自称するからには、少なくとも「スタイル」や「段落」、「セクション」といったものを適切に使えるようになりましょう。

 


では、ほんの一例ではありますが、WORDで文章を作るのが少しだけ楽になるドキュメントの書き方をご紹介します。

テンプレートとして、以下のサイトで公開されている、「要件定義書」を参考にしたいと思います。

[文書]テンプレートの無料ダウンロード:http://template.k-solution.info/
システム開発の仕様書その他IT・PCに関するテンプレート:http://template.k-solution.info/30000/
要件定義書(要求仕様書)のテンプレート:http://template.k-solution.info/2007/03/01word_1.html

ドキュメントを開くと以下の様な状態となっております。(画像はOffice 2013 です)

WORD_001このドキュメントは非常に綺麗に書かれてはいますが、例えば項目が大量に増えた場合や、ある程度出来た後に途中に章を追加する場合など、様々な場面でWORDに慣れていない方は戸惑うのではないかと思います。

例えば、このドキュメントは章立てが綺麗に組まれていますが、その章の中に本文を書くときどうすれば良いか。
まずは「全体」と書かれている章の行末で「Enter」!

WORD_002「2」じゃねーよ!「2」じゃ!!
ってイライラしてませんか?

で、バックスペースで「2」を消して本文を書き始めると、

WORD_003なんで太字なんだよ!!
ってイライラして、「B」のマークで細字に戻して、フォントも大きいから、「MS ゴシック」の隣の数字で小さくして、行の頭が数字と揃ってて気持ち悪いからスペースキーで空白を入れて、次の章との間に空白を入れるために改行して・・・なんて事をやってませんか?

WORD_004このように作った場合、見出しマップ(画面の左側)を見ると分かる通り、本文のつもりで書いた文章や、空白のつもりで入れた改行が「見出し」と見なされてしまい、目次を更新すると目次にも組み込まれてしまいます。

こういった場合、どのように記述すればよいのか。
段落スタイルを使用して、きれいな文章をなるべく書きやすくする方法を少しだけ説明したいと思います。

 


この場合まずは、改行した直後に、リボン「ホーム」にある、「スタイル」の中から、「標準」をクリックします。
そうすると、この段落見出しではなく標準の文であるとして、目次には載らなくなります。
その上で記述したい文を書きます。

もしくは、すでに本文を書いた後であれば、その本文を選択してから、「スタイル」の「標準」をクリックしてもOKです。

WORD_005続いて、文章のインデントを行って行頭の位置を揃えます。
これはスペースキーやタブキーで行っても良いのですが、狙った位置に揃わない事が多いと思います。
なので、段落の設定を編集して、行頭の位置を揃えます。

まず、インデントを行いたい行全体を選択します。
その状態で、右クリックメニュー、もしくはリボンの「段落」をクリックします。

WORD_006そして、「段落のインデント」で、左からの距離を指定します。
ここでは、見出しの位置に合わせると3.3mmであることがトライアンドエラーでわかったので、3.3mmに設定しています。

WORD_007これで、見出しと本文が自然な感じに記述できました。

WORD_008

さて、この章は綺麗にかけたし、目次におかしな文章が入ることもなくなりましたが、この手順を文章を書くたびに行っていたのではとても面倒くさいと思います。
そこでWORDでは、こういった書式の設定を「スタイル」と言うまとまりで管理することが出来、さらにこのスタイルを適用することで、同じ書式を設定することが出来ます。
先ほど「標準」と言うスタイルを適用することで、見出しではなくすることが出来たのがまさにその操作です。

スタイルは段落文字リストと言った単位で管理することが出来ます。
また、先ほどの「標準」以外にも、ユーザーの定義したスタイルを管理することも出来るし、管理することを意識しなくともほとんどの書式修正はWORD内でスタイルとして管理されています。

さて、これからスタイルの説明をしたいのですが、その前に一つ重要な概念があります。
ここまででも何度か出てきている「段落」と言う概念です。

 


HTMLを扱う方ならわかるかと思いますが、<P>や<DIV>で囲まれた部分が段落であるのと同様に、WORDでは「改段落」の直後から次の「改段落」までがひとつの段落として扱われます。
では、「改段落」とは何か。おそらく皆さんが「改行」だと思っているもの「改段落」です。
つまり「Enter」キーを押すと、そこに「改段落」が挿入されます(そこで段落が終了します)。
じゃあ、改行は?と言うと、「Shift」キーを押しながら「Enter」キーを押すと「改行」になります。WORD_009行末に付いている灰色の矢印をよく見ると「改段落」は折れ曲がった矢印、 「改行」は下矢印になっているのがわかると思います。
プログラマなら一度は見たことがあるであろう、「CRLF」と「LF」の違いのような表現で「改段落」と「改行」が表現されています。

先ほどの「段落の設定」で左からのインデントを3.3mmとしたため、改行したあとの行も同じ段落の一部として左から3.3mmインデントされ行の頭が揃った状態となっています。
また、WORDでは特に指定のない場合、改段落を行うと前の段落と同じ設定が引き継がれた新しい段落になります。そのため”これは改段落”と記述された段落も3.3mmインデントされています。

ところで、文章によっては段落の始めだけ1文字分「字下げ」をして長い文章を記述したい場合があると思います。
逆に長い文章の2行目以降を後ろにずらす「ぶら下げ」を行いたい場合があるかと思います。(少ないかと思いますが)
そういった設定も「段落」の設定で行うことで対処できます。

例えば以下の様な文があった場合

WORD_010字下げしたい、あるいはぶら下げをしたい、段落のどの場所でも良いのでキャレット(編集位置を表す縦棒)を合わせ、先ほどと同じように右クリックかリボンの「段落」の設定を開きます。
そして、インデントの設定の右側に「最初の行」の設定があるので、「字下げ」か「ぶら下げ」を設定して、幅に何文字分、あるいは何mm、何ptの設定を行います。
1文字分だけ、と言った場合は、「1字」と幅に指定することで、WORDが現在のフォントから一文字分を自動で設定してくれます。
(数字は半角、「字」は漢字で書き込みます。数字と単位の間には半角スペースが入っていてもOKです。)

WORD_011この設定で、以下のように字下げが行われます。
なお、ぶら下げの場合、左インデントの幅指定と、ぶら下げ幅の指定を同じ単位にする必要があるようです。
(左から3.3mm、ぶら下げを1……と言った設定は出来ないようです。)

WORD_012今行った段落の設定は、「最初の行」を「1文字」「字下げ」するでした。
上の文章を見るとその通りに、改段落された直後の行、つまり新しい段落の最初の行に対して設定が効いていることがわかると思います。

ちなみに、この字下げ設定を行った段落に「Shift」+「Enter」で改行を行った場合、それはあくまでも改行であり、同じ段落は続いていると見なされ、字下げされずに次の行を書くことが出来ます。
これは、禁則処理が期待したとおりに行われず、文の一文字だけ前の行に残ってしまう場合などに有効です。

WORD_013なお、1文字分字下げを行う操作については、行の先頭でスペースキーを押すことでも、段落の設定で字下げしたのと同様の結果が得られます。WORDがユーザーは字下げをしたいのだと理解して動作してくれるようです。

 


少し脱線しましたが、改行と改段落の違いについて、イメージが湧いたのではないかと思います。
続いて、これらの段落の設定を簡単に扱うため、「スタイル」について説明したいと思います。

スタイルとは、簡単に言えば書式設定の集まりの様なものです。
Webページであれば、HTMLが本文で、CSSがスタイルですね。
そして、HTML側ではどのスタイルを適用するかタグにIDやCLASSで記載すると思います。

WORDでは、ユーザーが段落の設定を含む書式の変更を行うと、すべてスタイルとして管理されています。
まず最初に、現在管理されているスタイルがどれだけあるか見てみましょう。

WORDのリボンの「ホーム」タブより、「スタイル」の右下にあるマークをクリックします。

WORD_014図のように右側に(場合によってはフローティングしてるかもしれません)「スタイル」と言う一覧が表示されると思います。
そして、現在選択されている、あるいはキャレットが指している箇所のスタイルが枠で囲われています。
上図の場合は、平家物語の部分を選択しているため「左:3.3mm, 最初の行:1字」と言うスタイルが枠で囲われています。

また、以下のように「1 全体」と言う見出しにキャレットを合わせると、「MS ゴシック, 12pt, 太字」と言うスタイルが囲われます。

WORD_015これを利用することで、新しい文章を書いた時に、以前と同じ書式設定を簡単に反映することが出来ます。

例として、「2 システム開発の前提条件」の章に本文を追加してみます。

WORD_016そのまま入力すると、前の段落と同じスタイルの段落となってしまいます。
これは、「標準」のスタイルに対し「MS ゴシック, 12pt, 太字」が付加されたスタイルです。
また、スタイルには管理されていませんが、「段落番号」がこの段落には適用されています。

この状態で、この段落を選択し、先ほどの本文と同じ「左:3.3mm, 最初の行:1字」にするため、スタイルの「左:3.3mm, 最初の行:1字」をクリック。としてしまうと、以下のように太字・12ptのまま3.3mmインデントの1字下げになってしまいます。

WORD_017これは、もともとのスタイルに対し、新しく別のスタイルの書式を被せたためです。
元のスタイルと重複する項目がある場合、新しく適用した内容が反映されますが、元のスタイルに無い書式設定のスタイルを被せると、その書式が付加される形となります。

そうではなく、1章の本文と同じにしたい。と言った場合には2通りの方法があります。
・一度、「標準」スタイルを適用して、「左:3.3mm, 最初の行:1字」を適用する。
・新しい段落スタイルを作成する。

一度「標準」スタイルを適用して・・・と言うのは、冒頭の説明の際に行った手順と同じ事になります。
もうひとつの、新しい段落スタイルを作成する。について以下で説明します。

 

スタイル一覧の下にある「新しいスタイル」というボタンをおすことで、現在選択されている(キャレットがある位置の)スタイルをFixすることが出来ます。
このとき、「段落スタイル」として定義すると、特に手を加えていない段落の設定についても、現在位置の段落の内容でまとめて管理してくれます。

例として、1章で作成した段落を新しいスタイルとして作成します。
まず、スタイル化したい段落へキャレットを合わせます。その状態で、「新しいスタイルの作成」をクリックします。

WORD_018上記のような「書式から新しいスタイルを作成」というウインドウが表示されます。
この際、「スタイルギャラリーに追加」にチェックが入っていると、右のスタイル一覧と上のリボンの部分のスタイルギャラリーにも追加されます。
他にも書式や、スタイルの継承関係など細かい設定がこのウインドウから行えます。
好みに合わせて名前の変更などして「OK」を押します。
すると以下のようにスタイルが作成されます。

WORD_019このスタイルを先ほど作成した竹取物語の部分に適用すると、「標準」スタイルを適用してから「左:3.3mm…」を適用したのと同じ状態にワンアクションで書式設定されます。

WORD_020同様に、章や節ごとにスタイルを作成することで、本文の編集と書式の編集を完全に独立させて作業することが可能になり、且つ書式の設定にかかる時間を短縮することも可能になります。

 


次に「セクション」について少しだけふれますが、「セクション」は文書の構造が大きく変わる場合など、ひとつのレイアウトで表現しきれない場合(A4縦ドキュメントの間にA3横の図面を入れたいなど)や、ページ番号を工夫したい場合(表紙や目次はページ番号をカウントしない)などに使用します。

リボンの「ページレイアウト」タブから、「ページ設定」の「区切り」で挿入します。

WORD_021Wordのデフォルトの設定では、セクション区切りがどこに入っているのか見えないので、「オプション」の「表示」から「すべての編集記号を表示する」を有効にします。

WORD_022セクション区切りが入れられた箇所は以下のようになります。

WORD_023このように、セクションを分けると、用紙が縦のページと横のページを混在させたり出来ます。
例として3章を横向きにすると、以下の様に2章までのページ(セクション)は縦のまま、3章以降(のセクション)の用紙が横向きになります。

WORD_024


最後に、ここまでで解説した内容+αを盛り込んだ、ドキュメントのテンプレートを作成したので公開します。

template.docx

なお、本ドキュメントにはIPAフォント(IPAゴシック)を使用しているので、完全に再現したい方で未インストールの場合は以下のページよりダウンロードしてください。
http://ipafont.ipa.go.jp/index.html
IPA exフォントも、良いフォントなのでインストールしておくといいと思います。

他にも、変更履歴や段組み、禁則処理の設定など、使いこなすと便利な機能が(マクロなど使わなくても)Wordにはたくさんあります。
使い方はネットで調べればいくらでも出てくるので、「これだからマイクロソフトは・・・」と毛嫌いせず、Wordの気持ちを理解して、良いドキュメントを作成できるようになりましょう。

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